2017年07月02日

においの替わり目。

夏至を経て10日。

暑気と湿気によって、我が8畳間では、得体の知れない匂いが鼻を突きます。





「今年もあと半分!センター試験まであと200日!」

などという言葉を口にしている私。


高校三年生とふれあう毎日は刺激的です。

「先生、また提出物を忘れました」
「あらら‥メモを取っておきなさい」
「メモ帳が無いです」
「じゃあ、いつも家に帰ったら必ず見る物に付箋メモを張っておいたら?筆箱とか」
「‥‥特に何も見ないですね」
「勉強する時に筆箱開けないの⁉︎じゃあ、手に書くとか。いや、今日はテストだからダメか」
「じゃあ、ふくらはぎに書きます!」
「えっ⁉︎」


その後、マッキーペンを借りて、でかでかと「承諾書」と書き上げます。
真っ黒なふくらはぎを代償にして、彼は翌日提出を済ませることができました。




異文化理解の体験とは、海外に行かなくてもできることですし、ここ鹿児島でも十分可能な体験です。

自分と同じような人間だと思っていた高校生が、実は異質な人間だと気付かされた時の方が、海外へ行った時よりも刺激的に感じるかもしれません。




一方で、自分と似たような人もいます。

「つい、二度寝してしまって‥‥」とか、
「昼休み後に、話を聞いてばかりの授業だと眠気に勝てません」とか
「気付いたらスマホさわってました」とか
「元はと言えば、あいつが悪いんです!」とか
「人を好きになるって‥‥いいですね」とか。



相容れないようで、共感してしまう高校生。


32歳青壮年の中に、18歳少年がまだ一部残存しているのでしょうか。

あるいは、
18歳少年の虚像と自分を重ねて、安心を求めているのでしょうか。


「努力精進」とか「野心を燃やす」などの前向きな共感なら良いのですが、「みんなで堕落すれば怖くない」などと開き直るようなネガティブな共感は要注意です。


ネガティブな共感が思い当たる私は、今の生活を前向きに捉えることができていないのかなと感じます。

職に就く前のアルバイト生活と比較すると、贅沢な思考をしている私。


私の背後から忍び寄るマンネリズムが、生徒の匂いを感じ取る私の嗅覚を鈍らせます。

一方で、私の芯に根付いている理想「自立の手助け」が、私の嗅覚を鋭敏にします。


生徒の匂いを感じ取って、自己診断をさせてもらえるのは、教職の恵まれた利点です。


よどむような匂いの思考を洗い出したので、帰ったら、部屋を換気して掃除しようと思います。



Posted by らじうむ at 16:33│Comments(0)
 
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